GCAの上場とコンサル・SIerの連携に見る類似点

最近M&Aアドバイザリー専門会社のGCAが上場しました
http://www.sankei.co.jp/news/061004/kei014.htm

上場で約63億円を調達する見込み。国境を越えたM&Aに対応し、40億円を国外の同業他社との業務資本提携に、15億円を海外拠点の設置に使う。10億円を自ら設立したファンドに投資し、残りは来年初めの本社移転費用などに充てる。


10億円を投資するファンドというのは、
5月にGCAの設立したファンドのことでしょう。
http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200610060021a.nwc

6日に東証マザーズに上場する合併・買収(M&A)助言会社のGCA(東京)の佐山展生代表取締役は5日、株式の非公開化を目指したMBO(経営陣による買収)への支援を積極化する方針を明らかにした。同社は5月にM&A案件に資金を供給するファンドを設立。佐山代表は「600億円の資金は出せる状態だ」としており、MBOを中心に案件の開拓を進める。


M&Aのアドバイザリー業務で上場して資金調達し、どうするのだろう?
…と思っていましたが、
業務資本提携以外に投資も行っていくのですね。


個人的には、
この流れは最近のコンサルとSIerの関係に似ていると思います。


http://allabout.co.jp/career/consultingfirm/closeup/CU20060921F/
でも解説されていますが、
最近はコンサルとシステム系の会社が組む事例が結構あります。


http://allabout.co.jp/career/consultingfirm/closeup/CU20060921E/index2.htm
から具体例を引っ張ってくると、

IBMIBMビジネスコンサルティングサービス
(旧プライスウォーターハウスクーパースを買収して誕生)


NEC+アビームコンサルティング
(アビームはグローバルのデロイトグループから離れてNECと資本提携


NTTデータ+ザカティーコンサルティング
(旧キャップジェミニをNTTが買収)


日立製作所+日立コンサルティング
(日立が「エクサージュ」としてコンサルティング部門を独自に設立。)


日本ユニシスケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
(もともとNovel傘下にあったものを、日本ユニシスが買収)


参考)逆の事例
EDS- ATカーニー
長らくEDS傘下にあったATカーニーがMBOにより独立


この流れについて、なかなか面白い指摘がされています。
http://allabout.co.jp/career/consultingfirm/closeup/CU20060921F/index4.htm

あまり指摘している人をみたことがありませんが、このようにコンサルティング会社が利益の絶対額にこだわるようになったのは、株式の上場というのが関係しているのは間違いないことだと思います。


以前までは多くのコンサルティング会社が非公開企業であり、高い利益率を維持し仲間内で多くのお金を配分すればハッピーでした。会社規模も利益率を下げてまで大きくする必要はありませんでした。あえて競争が激しいSI業界に進出する必要はなかったのです。


しかし、株式を公開したとなると、株主に多くの利益を還元することが求められます。当然会社は規模を大きくしていくことが求められますし、利益に関しても利益率というよりは利益の絶対額を増やすことに重点が置かれます


アクセンチュアやべリングポイントといった公開したコンサルティング会社が、会社を大きくしていくために、コンサルティング以外の市場を求めてビジネスを拡大していくのは、至極当然の話なのです。


GCAの上場と集めた資金を投資する流れも、
関連する金融の業務を広げて拡大していこうという動きなのかもしれません。