物理学者、ウォール街を往く。―クオンツへの転進

素粒子物理学からクオンツに進んだ筆者の自伝。
ブラック=ショールズモデルで有名な
フィッシャー・ブラックと一緒に仕事をしていたりする。
本自体は結構長い。


クオンツという仕事でプログラミングが多用されていることに驚いた。
今まで数値計算(計算科学)は
・大学
・磁性の基礎研究部門
でしか使われないと思っていたので新鮮だった。
そして
・あらゆる事象を説明できる金融モデルは無い
と断定しているところも良い。


内容上、
研究者としての苦悩話、
金融や物理学の専門用語や人物が多く登場するので、
和訳は良いのだが読み手を非常に選ぶ。
(中盤には少々脱字が…)


以下本文の一部を抜粋するが、
この言葉に何も感じない人は、
読んでもあまり意味が無いと思う。

私は野望が若干低下していることに気づいた。16、17歳のころの私はアインシュタインの再来となることを夢見ていた。21歳になった私は第二のファインマンになれたら幸せだと思っていた。24歳時点では未来の李政道。76年の私は博士課程終了後の他の研究者(ポスドク)たちとオックスフォード大学のオフィスをシェアしていたが、私はフランスで開催されるセミナーに招待されたという理由で隣のオフィスの同僚をうらやむような状況に陥っていることに気づかされた。


素粒子からクオンツに進んだ人…☆5つ
・理論物理の人…☆4つ
・それ以外の人…☆3つ